きのこ日記

フウセンタケ属って?  2010/11/20


フウセンタケ属は山と渓谷社の「日本のきのこ」P248には

「子実体の形態は変化に富むが、いずれもクモの巣膜があり、胞子紋はさび色、胞子
は多くは、いぼにおおわれる。クランプがある。外生菌根性。」
と記載されている。

フウセンタケ属は「柄の根元が風船のように膨れているきのこ」だと思っていました。間違いではありませんが、
ニセアブラシメジ(クリフウセンタケ)は柄の基部は細い。

山と渓谷社の「日本のきのこ」のフウセンタケ属のページをめくってください。
248のニセマンジュウガサの写真、柄に「褐色のもじゃもじゃしたもの」が見えます。
251のニセアブラシメジ(クリフウセンタケ)、P253のフタイロフウセンタケの写真にも同様なものが見えます。

はじめ、これが何か解りませんでした。
251のニセアブラシメジ(クリフウセンタケ)の項には
「柄はクモの巣膜は量が多く、傘の展開後、柄の上部に綿毛状のツバとなって付着する。」と記載されている。

フウセンタケ属は学名Cortinariusで、コルチナとはクモの巣膜のことらしい。

長岡技術科学大学名誉教授の宮内信之助氏はフウセンタケ属に詳しいらしいが、
彼は「フウセンタケ属は色彩が豊富。色を見るとき、成熟したきのこだけでなく、若いきのこも併せて比較しなければならない。
このきのこの主たる色がふじ色であるが
と述べている。

以下は私が調べたフウセンタケ属です。


1
アイカシワギタケ

2
アオアシフウセンタケ

3
アカツブフウセンタケ

4
アサギフウセンタケ

5
アサクラフウセンタケ

6
アブラシメジ

7
アブラシメジ

8
アブラシメジモドキ

9
イロガワリフウセンタケ

10
ウスフジフウセンタケ

11
ウスムラサキアブラシメジ

12
ウスムラサキフウセンタケ

13
ウメウスフジフウセンタケ

14
オオウスムラサキフウセンタケ

15
オオツガタケ

16
オオトガリコゲチャフウセンタケ

17
オオムラサキフウセンタケ

18
オニフウセンタケ

19
カワムラアブラシメジ

20
カワムラフウセンタケ

21
キアブラシメジ

22
キオビフウセンタケ

23
キツネフウセンタケ

24
キヒダフウセンタケ

25
キンチャフウセンタケ

26
コガネフウセンタケモドキ

27
コシノウスムラサキフウセンタケ

28
ササクレフウセンタケ

29
サザナミツバフウセンタケ

30
サザナミニセフウセンタケ

31
シラガツバフウセンタケ

32
ジンガサドクフウセンタケ

33
チャオオフウセンタケ

34
チャオビフウセンタケ

35
チャフウセンタケ

36
ツガタケ

37
ツバアブラシメジ

38
ツバフウセンタケ

39
トガリニセフウセンタケ

40
ナツノカワムラフウセンタケ(新称)

41
ニセアブラシメジ(クリフウセンタケ)

42
ニセマンジュウガサ

43
ヌメリササタケ

44
ハイムラサキフウセンタケ

45
フウセンタケモドキ

46
フジイロタケ

47
フジイロタケモドキ

48
フジイロフウセンタケ

49
フタイロニセフウセンタケ

50
フタイロフウセンタケ

51
ブナフウセンタケ

52
マムシフウセンタケ

53
マルミノアブラシメジ

54
マルミノフウセンタケ

55
マンジュウガサ

56
ムラサキアブラシメジ

57
ムラサキアブラシメジモドキ

58
ムラサキズボタケ

59
ムラサキフウセンタケ

60
ムレオオフウウセンタケ

61
モリノフジイロタケ

62
モリノフタイロフウセンタケ

63
ヤブレオオフウセンタケ

64
ヤマブキフウセンタケ



菌根菌
  
2010/11/22

去年、里山のある所でアミタケが採れていたのに、今年は全くダメでした。
一本もなし。なぜか。水分はあると思うが、周期があるのだろうか。
アミタケは松の菌根菌だ。松に元気がないのか。枯れてはいない。
アミタケの地下の菌糸はどうなっているのだろうか?
ふと菌根菌のことを考えてみた。
アミタケの菌糸が松の根をマントのように包み込んでいる。松の根を菌糸が守っている。
アミタケは土壌に張り巡らした菌糸から、主にリン酸や窒素を吸収して松に供給し、
代わりに松から光合成により生産した糖分等を得ることで菌糸は成長していく。

この関係を
相利共生(そうりきょうせい)と呼ぶらしい。

「松の根に外生菌根を作るキノコはマツタケ、ホンシメジなど100種類以上ある。
松が弱ったり、枯れたりするとマツタケはできません。マツタケなどの菌根菌が元気をなくすと松もうまく成長できません」

下記は菌根菌のきのこ(A)とその宿主(B)を挙げてみました。

例えばアミタケはA8のイグチ科、その宿主の松はB6のマツ科となります。
Aの菌根菌のきのこはBの植物(樹木)と相利共生(そうりきょうせい)関係にあります。
Aの菌根菌のきのこは単一でなくて複数のBの植物(樹木)と大部分、共生していることでしょう。



菌根菌の一部(A)

担子菌類

1
テングタケ属(テングタケ科ハラタケ目)
2
フウセンタケ科一部(ハラタケ目)
3
イッポンシメジ属(イッポンシメジ科ハラタケ目)
4
ヌメリガサ属(ヌメリガサ科ハラタケ目)
5
キツネタケ属(ヒドナンギウム科ハラタケ目)
6
シメジ属(シメジ科ハラタケ目)
7
キシメジ属(キシメジ科ハラタケ目)
8
イグチ科(イグチ目)
9
ショウロ科(イグチ目)
10
ニセショウロ科(イグチ目)
11
ベニタケ科(ベニタケ目)
12
ニンギョウタケモドキ科(ベニタケ目)
13
アンズタケ科(アンズタケ目)
14
ホウキタケ属(ラッパタケ目)

菌根を形成する直物の一部
(B)

1
カバノキ科(ハンノキ属、シラカンバ属、クマシデ属)
2
フタバガキ科
3
ブナ科(クリ属、シイ属、ブナノキ属、マテバシイ属、コナラ属ほか)
4
マメ科(アカシア属)
5
フトモモ科(ユーカリノキ属ほか)
6
マツ科(モミ属、カラマツ属、マツ属、ツガ属ほか)
7
ヤナギ科(シダレヤナギ属ほか)



菌根菌イグチ  2010/12/09

イグチは菌根性ということで下記の表を作成しました。

イグチ類(菌根菌)

宿主(山渓の日本のきのこ図鑑より)」○○きのこ会観察月

1
チチアワタケ 2針葉マツ 10(9月)

2
ヌメリニガイグチ アカマツコナラ林 9(7,10月)10(9月)

3
ミドリニガイグチ アカマツコナラ林シイ林 8(9月)10(9月)

4
クロニガイグチ シイ林アカマツコナラ林 8(7,9月)10(7月)

5
ミヤマベニイグチ シイ・カシ林、アカマツコナラ林8(7,9月)9(7,9月)10(7月)

6
ヌメリコウジタケ コナラ・クヌギ、アカマツ10(9月)

7
オニイグチ 広葉樹林またはマツとの混生林 8(7月)9(7月)10(7月)

8
コオニイグチ 主にシイ・カシ林 10(7,9月)

9
ヤシャイグチ 主にシイ・カシ林 8(7月) 10(9月)

10
オオヤシャイグチ 主にシイ・カシ林 9(7月)10(9月)

11
セイタカイグチ コナラなど 8(9月) 10(9月)

12
アカヤマドリ コナラ・クヌギ、ミズナラ・シイなど 8(7,9,10月)9(7月)10(7,9月)

13
アワタケ 広葉樹林 8(6月) 9(7月)

14
キッコウアワタケ 広葉樹林 8(7月) 10(7,910月)

15
キアミアシイグチ 広葉樹林 8(9月) 9(7月) 10(7月)

16
コウジタケ 広葉樹林9(7月) 10(10月)

17
ウツロイイグチ 広葉樹林(主にブナ科) 8(9月) 10(9月)

18
ムラサキヤマドリタケ 広葉樹林(主にブナ科)またはマツとの混生林 8(7月)9(7月)

19
クリイロイグチ ブナ科の木をまじえた広葉樹林または針葉樹林8(7月)9(7月)10(7,9月)

20
コショウイグチ 広葉樹林(コナラ・シラカバ)・針葉樹林(アカマツ・モミ)8(5月)10(10月)

21
キイロイグチ 針葉樹林、広葉樹林 8(7月) 9(7月)10(7,9月)

22
アケボノアワタケ 針葉樹林及び広葉樹林 10(9月)

23
ニガイグチ 広葉樹林及び針葉樹林 8(6,9月) 10(7月)

24
キクバナイグチ 林地 8(7月) 9(7月)10(7月)

25
クロアザアワタケ ブナ科 10(7月)

26
モエギアミアシイグチ ブナ科 10(9月)

27
ニガイグチモドキ ブナ科 10(9月)

28
ホオベニシロアシイグチ ブナ科 8(9月)

29
シワチャヤマイグチ ブナ科 8(9月) 10(9月)

30
ヒメコウジタケ ブナ科 8(7,9月) 10(79月)

31
ブドウニガイグチ ブナ科 8(7,9月)9(7月)

32
クリイロニガイグチ ブナ科 9(7月)

33
コゲチャニガイグチ?9(7月)

20082010年の3年間にて33種のイグチを観察。

きのこの読み方と漢字  2010/12/11

先日、週刊文春の中のグラビアで「ベニカノアシタケ」が載っていましたが、ベニカノ、アシタケと口ずさんでいました。

ある時、「鹿」のことが話題になって「カノシタ」は「鹿の舌」と書いてカノシタ。
「ベニカノアシタケ」は「紅鹿足茸」と書いてベニカノアシタケではなかろうか?
と調べてみたら紅鹿足茸ではなく「紅蚊足茸」と書いてベニカノアシタケであった。
つまりベニ、カノアシタケと読まないといけない。

他に私が間違った読み方をしていたのは、

誤った読み ミミナミ、ハタケ正しい読み ミミ、ナミハタケ(耳波稜茸)
キヌメリ、ガサ正しい読み キ、ヌメリガサ (黄粘傘)
アカエノズキンタケ正しい読み アカエノズキンタケ(赤柄頭巾茸)

他には 
誤った漢字 ハカワラタケ(葉瓦茸)正しい漢字 ハカワラタケ(歯瓦茸)
などがありました。



下記の表はきのこ名を漢字にしたものです。きのこの読み方の参考になるかもしれません。

意味がわからない漢字。(玉猪苓?布袋?)

タマチョレイタケ 玉猪苓茸
ホテイシメジ 布袋湿地

美しい漢字

フミヅキタケ 文月茸

マイタケ 舞茸
シコンアジロガサ 紫金網代笠


「皮」を使った漢字

ササクレフウセンタケ 逆皮風船茸
アイカワタケ 間皮茸

「実」を使った漢字

マルミノヒガサタケ 丸実日傘茸
コザラミノシメジ 小粗実湿地

いやな漢字
センボンクズタケ 千本屑茸


1
アイカワタケ 間皮茸

2
アイシメジ 藍湿地

3
アイバシロハツ 藍歯白初

4
アオロウジ 青老爺

5
アカエノズキンタケ 赤柄頭巾茸

6
アクイロウスタケ 灰色臼茸

7
ウスバシハイタケ 薄歯紫背茸

8
オオキヌハダトヤマタケ 大絹肌苫屋茸

9
オツネンタケモドキ 擬越年茸

10
オドタケ 御堂茸

11
カキシメジ 柿湿地

12
カタウロコタケ 堅鱗茸

13
カノシタ 鹿舌

14
カノツノタケ 鹿角茸

15
カベンタケ 花弁茸

16
カラハツタケ辛初茸

17
ガンタケ雁茸

18
キヌメリイグチ 黄滑猪口

19
キヌメリガサ 黄粘傘

20
キララタケ 雲母茸

21
クサウラベニタケ 臭裏紅茸

22
クロフチシカタケ 黒縁鹿茸

23
ケシロハツ 毛白初

24
ケロウジ 毛老人

25
コウタケ 香茸

26
コキイロウラベニタケ 濃色裏紅茸

27
コケイロサラタケ 苔色皿茸

28
コケイロヌメリガサ 苔色粘傘

29
コザラミノシメジ 小粗実湿地

30
コチャダイゴケ 小茶台苔

31
コフキサルノコシカケ 粉吹猿腰掛

32
ササクレフウセンタケ 逆皮風船茸

33
サマツモドキ 擬早松

34
シコンアジロガサ 紫金網代笠

35
シハイタケ 紫背茸

36
シモコシ 霜越

37
シロツチガキ 白土柿

38
センボンクズタケ 千本屑茸

39
センボンサイギョウガサ 千本西行傘

40
タマチョレイタケ 玉猪苓茸

41
チャツムタケ 茶錘茸

42
ツチグリ 土栗

43
ツヤマグソタケ 艶馬糞茸

44
テングノメシガイ 天狗飯櫂

45
トキイロラッパタケ 鴇色ラッパタケ

46
トビチャチチタケ 鳶茶乳茸

47
トフンタケ 兎糞茸

48
ハカワラタケ 歯瓦茸

49
ヒダハタケ 襞歯茸

50
ヒメカタショウロ 姫硬松露

51
フミヅキタケ 文月茸

52
ベニカノアシタケ 紅蚊足茸

53
ホテイシメジ 布袋湿地

54
マイタケ 舞茸

55
マクキヌガサタケ 巻衣笠茸

56
マルミノヒガサタケ 丸実日傘茸

57
ミイノモミウラモドキ 三重擬紅絹裏

58
ミキイロウスタケ 幹色臼茸

59
ミミナミハタケ 耳波稜茸

60
ムレオオイチョウタケ 群大銀杏茸

61
ロクショウグサレキン 緑青腐菌


きのこ と 俳句  2010/12/13


俳句
NHKの「坂の上の雲」に登場する正岡子規の句


人も来ず 辻堂荒れて 線香茸

 線香茸って、どんなきのこかな。



小林一茶の句
うつくしや あらうつくしや 毒きのこ


毒きのこって、ベニテングタケのような美しいきのこだったのだろう。

天狗茸 立てり魔所の 入口に

 
不気味であり、おかしくもある。

手の前に 蝶の息つぐ茸哉
 
小林一茶らしい句だ。




松尾芭蕉の句
松茸や 知らぬ木の葉の へばりつく

 きのこによく木の葉がへばりついているのを見かけるが、それを句にしたもの。
松尾芭蕉にかかると感慨深いものとなる。




向井去来の句
松茸や 人にとらるる 鼻の先

ユーモラスだが、本人にすれば悔しかったことだろう。



高浜虚子の句
爛々(らんらん)と 昼の星見え 菌(きのこ)生え 


焦点がきのこに注がれている。



ヒダの付き方?  2010/12/17


ヒダと柄の関係で、本をみると、よく図が描かれていますね。
離生、上生 などの専門用語。

図を見ただけでは解らない。
私だけだろうか。
どの本を見てもほぼ同じ図だ。もっと解りやすい図と説明文がほしい。

図書館で借りた「図解きのこ鑑別法」には多少、わかりやすい図と説明文があるが、翻訳したものなので文が堅苦しい。
少しは理解できたが、柄を切断した状態を見て「離生」、「上生」などと判断できるようになりたい。

下記の表は「離生、上生などには、どんなきのこがあるのか。」を一覧にしたものです。


図解きのこ鑑別法より

ひだの付き方

離生ヒダと柄が全く付着していない場合。

隔生離生の場合に柄の上部で傘の一部が小さなリング状に見える。この部位に広い間隙がある場合。

湾生ヒダが柄に付着する部分で小さなV字形の刻み目が入っているように見える場合。

上生ヒダが部分的に柄に付着しており、その結果、柄に付く部位でヒダの大きな三角形の断片が取り除かれたような形をとる場合。

垂生ヒダが柄に沿って下がって付着している場合。

直生ヒダが柄におおよそ直角に付き、ヒダの幅の大部分が柄に付着している場合。



日本のきのこ図鑑より


離生
アカヤマタケ アカヤマタケ属 ヌメリガサ科

トガリツキミタケ
 アカヤマタケ属 ヌメリガサ科

トガリベニヤマタケ アカヤマタケ属ヌメリガサ科

キツネノカラカサ
 キツネノカラカサ属ハラタケ科

アカキツネガサ  シロカラカサタケ属  ハラタケ科

コガネキヌカラカサタケ
  キヌカラカサタケ属  ハラタケ科

シロヒメカラカサタケ  キヌカラカサタケ属  ハラタケ科

フクロタケ  フクロタケ属  ウラベニガサ科

ヒョウモンウラベニガサ  ウラベニガサ属  ウラベニガサ科

ベニヒダタケ  ウラベニガサ属  ウラベニガサ科
シロヌメリカラカサタケ  ヌメリカラカサタケ属  テングタケ科

チャヌメリカラカサタケ
 ヌメリカラカサタケ属 テングタケ科

オオシロアリタケ  オオシロアリタケ属  シメジ科

シロコナカブリ
  クヌギタケ属  クヌギタケ科

アシナガタケ
  クヌギタケ属  クヌギタケ科

ツルタケ
  テングタケ属  テングタケ科



上生
キイロアセタケ

アセタケ
  アセタケ科

オオキヌハダトマヤタケ
  アセタケ属  アセタケ科

シロトマヤタケ
  アセタケ属  アセタケ科

ヒイロガサ  アカヤマタケ属  ヌメリガサ科

アキヤマタケ
  アカヤマタケ属  ヌメリガサ科

シワカラカサタケ  シワカラカサタケ属  ハラタケ科

カワムラフウセンタケ  フウセンタケ属  フウセンタケ科


サザナミツバフウセンタケ
  フウセンタケ属  フウセンタケ科

コザラミノシメジ
  ザラミノシメジ属  キシメジ科  湾入上生




隔生
オオシロカラカサタケ  オオシロカラカサタケ属  ハラタケ科

マントカラカサタケ  カラカサタケ属  ハラタケ科

カラカサタケ 
 カラカサタケ属  ハラタケ科

シロオオハラタケ
  ハラタケ属  ハラタケ科




垂生
カヤタケ  カヤタケ属  キシメジ科

ホテイシメジ  カヤタケ属  キシメジ科

ハイイロシメジ  カヤタケ属  キシメジ科

ドクササコ  カヤタケ属  キシメジ科

ヒダサカズキタケ  ヒダサカズキタケ属  キシメジ科

ダイダイサカズキタケ
  ダイダイサカズキタケ属

オオイチョウタケ  オオイチョウタケ属  キシメジ科

ベニヒガサ  アカヤマタケ属  ヌメリガサ科  柄に長く垂生

ヒナノヒガサ  ヒナノヒガサ属  柄に長く垂生

ミズゴケノハナ  アカヤマタケ属  ヌメリガサ科  直生状垂生

ヒカゲウラベニタケ  ヒカゲウラベニタケ属  イッポンシメジ科

ムツノウラベニタケ  ヒカゲウラベニタケ属  イッポンシメジ科

クギタケ  クギタケ属  オウギタケ科

オウギタケ  オウギタケ属  オウギタケ科

ヒダハタケ  ヒダハタケ属  ヒダハタケ科

ツキヨタケ
  ツキヨタケ属  ホウライタケ科

ヒメカバイロタケ
  ヒメカバイロタケ属  クヌギタケ科  柄に垂生

シロハツ
  ベニタケ属  ベニタケ科  やや垂生



湾生
ニオウシメジ  ニオウシメジ属  キシメジ科

ネズミシメジ  キシメジ属  キシメジ科

クマシメジ
  キシメジ属  キシメジ科

ハマシメジ
  キシメジ属  キシメジ科

マツタケ  キシメジ属  キシメジ科

ミネシメジ  キシメジ属  キシメジ科

シロケシメジ 
 キシメジ属  キシメジ科

カラマツシメジ
  キシメジ属  キシメジ科

キヒダマツシメジ  キシメジ属  キシメジ科

カキシメジ
  キシメジ属  キシメジ科

ウラベニホテイシメジ  イッポンシメジ属  イッポンシメジ科  直生状湾生


直生
ブナシメジ  シロタモギタケ属  シメジ科

ヤケノシメジ  ヤケノシメジ属  シメジ科

タマツキカレバタケ
  ヤグラタケモドキ属  キシメジ科

ヒノキオチバタケ  シロホウライタケ属  ホウライタケ科


連絡脈のこと  2010/12/22


連絡脈」について今、私が図書館で借りている「図解きのこ鑑別法」には次のように記載されています。

しばしば、隣接したヒダまたは小ヒダの間に小さなヒダがあり、互いを連結する。
このためにヒダ全体がちょうど葉脈のように見える。このような相互結合をもつ状態を「ヒダが脈状に連絡した」といい、
この型の分岐は「連絡脈がある」と呼ばれる。


ひだとひだを結ぶ血管が走っているように見える。まさに「しわひだ」と呼べるものだ。



連絡脈のあるきのこ(一部)をpick upしました。

アンズタケ放射状しわひだ。脈連絡あり。

サクラタケ脈絡あり。

キチャホウライタケ脈絡あり。

ドクベニダマシ小ひだなく叉状分岐稀。

ニシキタケ小ひだ稀で脈絡あり。

キヒダタケ脈絡あり。

オトメノカサ

「アンズタケ」と「ヒナアンズタケ」との相違は連絡脈の有無によるそうです。


 

 


創士庵

2011/11/22

創士庵はきのこ料理専門店だ。平成8年秋にオ―プン。

きのこフル―コス風(3,990円)をオ―ダ―する。

花コ―スに「ロ―ストビ―フ」「きのこのタジン鍋」のいずれかをプラス。

栽培きのこ

マイタケ…新潟の石坂さんから取り寄せ

ササクレヒトヨタケ(コプリ―ヌ、つくし茸、こけし茸)…長野県の島田さんから

シイタケ…月ヶ瀬の東久保さんから

ヤマブシタケ…山形県から

キヌガサタケ…??から

栽培きのこの種類

1シイタケ、2エノキタケ、3アラゲキクラゲ、4ブナシメジ、5ヒラタケ、6エリンギ、7ナメコ、8ヤマブシタケ、9ハタケシメジ、10マツシュル―ム、11マンネンタケ、12ムラサキシメジ、13クリタケ、14ムキタケ、15ブナハリタケ

メニュ―より

どんこ(冬茹)しいたけ…寒い時期にゆっくり育ったシイタケで、シイタケのうま味をぎゅっと詰め込んでいます。

あぎたけ(阿魏茸)薬用植物であるこの阿魏の根茎上部で栽培した菌を利用した新種のキノコです。中国が原産のキノコで、エリンギの仲間です。

マコモタケ…キノコの仲間かって? 違います。稲を大きくしたような葉で、沼や川などに生える東アジア原産のイネ科の多年草にマコモという植物があり、このマコモの茎が肥大化したもののことです


がっかりしたこと

2011/11/21

20
日、里山を歩いているとアミタケ、その横にマツタケ。やった!
と内心思ったが…
待てよ 今頃マツタケか? 形はマツタケそっくりだが、マツタケの香りがしない。
マツタケにしては小さく柄が細いように思う。
自宅に持ち帰り検討してみよう。
マツタケ以外だとしたら
バカマツタケ・ニセマツタケ・マツタケモドキ3種のうち
どれか1つだろう。
バカマツタケは「マツタケ臭が強く、コナラ、ミズナラ、マテバシイ、ウバメガシなどの広葉樹に発生し、柄は上下同大。」
と記載されている。
実物はマツタケ臭が無く、松林に発生し柄は基部が細いのでバツ。
ニセマツタケは「マツタケよりも早い時期に発生し、コナラ、シイなどの広葉樹に発生し柄の下部が細まる」と記載されている。
実物は柄の下部が細いのは同じだが、マツタケよりも遅い時期に、しかも松林に発生しているので、これもバツ。
マツタケモドキは「マツタケより少し遅れてアカマツ林に発生、柄の基部は細くなって尖る。
マツタケ臭は無く
煮ると黒ずむ」とある。
実物は、この記載とぴったり。
煮て黒ずんだら間違いなく
マツタケモドキだろう。
実際に、これを汁物にした。柄は灰色っぽくなったが、これが黒ずむということなのか?
やはり、これがマツタケモドキだったのか。やや落胆。
しかし肉はかたく締まっていて歯ごたえがいい。味区分はAランク。



マツタケモドキ

イカタケ

 2011/11/18

今日、探偵ナイトスク―プでイカタケが放映された。堀博美(40)自営業さんが依頼。

ツブノセミタケとカエンタケを披露。

ある本によるとイカタケは躍り上がる、それを観たいという。

松村邦洋氏はウスキキヌガサタケで以前、お世話になった広島のI氏に問い合わせをする。

そこでイカタケが所属している腹菌類というグル―プに詳しいきのこアドバイザ―のK氏を紹介していただく。
松村邦洋氏と依頼者のHさんがK氏のお宅を訪問。2階に案内され、胞子の写真が掲げてあり、
彼は「胞子曼荼羅」を作ろうかなという。彼のダンボ―ルの箱の中はきのこの標本が一杯。

その中から説明を受けたのは、日本新産種のきのこ「タイコヒメツチグリ」と「マツボックリに発生したツノのようなきのこ」、
新種の可能性があるらしい。

名前の説明はなかったが京都きのこ展で「
ポドストロ―マ属」(Podostromaと記載されたものに違いない。
「ポドストロ―マ属」(Podostroma)といえば
カエンタケと同じ仲間なのか

彼にイカタケのことを問い合わせたところ、20年間2回ほどしか出合っていないという。

発生場所が特定できないという。全国にあるネットワ―クを通じて後日、連絡をするという。

後日、K氏よりイカタケのあるところに案内するという連絡が入った。枚方の某所で待ち合わせ。

K氏が関西菌類談話会・幼菌の会会員のS(夫)とS(妻)を伴ってやってきた。

案内されたのは枚方の某公園。そこで先ず観たのは「ホコリタケの仲間」。
ツバナシフミズキタケヒトヨタケの仲間」の間を通って「イカタケの卵」を発見。
K氏、その卵をじっと観察。すでに卵から脚1本出ている。今日中なのか、いつイカタケが開くか分からない。
ついにイカタケの踊りあがる瞬間がやってきた…


注)タイコヒメツチグリ G.fomicatum …繊維状の孔縁盤を有する


筑波の腹菌類の第一人者である○○氏のコメント

コフキクロツチガキG. pectinatumは、孔縁盤がひだ状ですが、

写真の菌は、繊維状の明瞭な孔縁盤を有しています
また、ヒメカンムリツチグリG. quadrifidumにも似ていますが、

写真の菌は、外皮の内層が茶褐色で、胞子が小さいようです
これらの特徴は、タイコヒメツチグリとして、先に報告した菌と、よく一致すると思います。

ヒメカンムリツチグリの外皮の内層は、ほぼ白色、胞子は、写真のものよりもより大型です。
生態的には、タイコヒメツチグリは主にさまざまな広葉樹からなる、雑木林の地上に秋から冬に発生します。

ヒメカンムリツチグリは、主に砂地やマツ林の地上に、秋から春に発生することが多いです。
なお、G. fornicatumはアメリカやヨーロッパから知られており、海外の標本では、孔縁盤は繊維状ですが、不明瞭です。しかし、日本産の標本では、今回の写真のように、いずれも明瞭な、繊維状の孔縁盤を持つため、形態的にやや異なります。
まだ日本のものと海外のものが種レベルで違うのかどうか、わからないので、一応、日本のものもG. fornicatumとして、扱っていますが、将来的には日本産のタイコヒメツチグリは、G. fornicatumとは異なった学名に、なるかもしれません。」



ツブノセミタケ…冬虫夏草 地中のセミの幼虫から発生。
不規則な太針金状で数本に分岐し先端にツブ状の子のう果を有する。




マツボックリに発生したツノのようなきのこ=ポドストロ―マ属」(Podostroma)





いかたけ【烏賊茸】

[学名:Aseroe arachnoidea Fisch.

担子菌類スッポンタケ目アカカゴタケ科のキノコ。脚(あし)を広げて逆立ちするイカを思わせる奇妙な形で目を引く。脚に似た部分をといい、数は715本で、長さ16センチメートルほど、高さ510センチメートルで、それが太さ23センチメートルの胴の上端から四方に広がる。全体は白いが、腕の内面は黒褐色で強い悪臭を放ち、粘液を帯びる。この粘液は胞子の集まりである。全体はもろい海綿質で、胴は中空。胴の根元は膜質のふくろ(つぼ)で包まれる。幼菌はこのふくろの中に圧縮されて包まれる。ふくろ全体はカメの卵に似た球塊であり、径34センチメートル。もみ殻を捨てたあとなどに群生することがある。東南アジアから日本にかけて分布する。全体が紅色状になるものがあり、アカイカタケA. rubra La Bill.とよばれる。


通常の5倍! 破格サイズのマツタケ 大阪・貝塚市の山中で

 2011/11/07


大阪府貝塚市の山中で、長さ約29センチ、重さ約500グラムのジャンボマツタケが見つかった。通常の5倍以上のサイズという。

 市内の女性が6日、散策中に発見し、カサの直径は約25センチ。最初はマツタケと思わず通り過ぎたものの、香りからマツタケと気づいたという。

 今後は、収穫した女性らがその味を楽しむ予定だが、破格のサイズだけに「天ぷらにしても焼くにしても、何人分の料理になるか、想像もつきません」。(産経新聞)

巨大マツタケ:貝塚で見つかる 傘の直径25センチ、重さ500グラム /大阪

貝塚市蕎原(そぶら)の山中で巨大なマツタケが見つかり、市役所に持ち込まれた。同地区の女性(54)が6日午前、散策中に見つけたもので、「最初はマツタケと思わず通り過ぎたが、もう一度確認したらマツタケだったので驚いた」。

 丈の長さは29センチ、立派な傘の直径は25センチ、重さは500グラムもある。かぐわしい香りが漂い、鑑定を依頼された市立自然遊学館も「マツタケに間違いない」。

 女性の意向で、マツタケは貝塚高校の冷凍庫で保管されており、11日の文化祭でPTA関係者が試食するという。(毎日新聞)2011119日 地方版

ザボンタケ?

2011/10/11

この画像がザボンタケの可能性があるきのこでしょうか?


 
 管孔は垂生

傘表面 縁内巻き



ニセシロオニタケ仮

 2011/09/30

Aさんより
ニセシロオニタケ(仮称)について
目視でモドキとの区別するポイントは2点。
一つは指摘の通りツバの裏面(下面)が黄色系で在る事。
2点目は柄の表面に鱗片がなく繊維状で在る事、この場合モドキの鱗片が脱落している場合が往々にして有りますので注意をして下さい。従って画像上での区別は困難です。
モドキと思い込んで見逃して居るかもしれませんね。
検鏡的には胞子の形が異なりますので容易に区別する事が出来ます。



ちょっと疑問

 2011/09/26

昨夜、NHKで、下記のタイトルのすばらしい番組に出会いました。
焼畑によって「かく乱」状態にし、土壌を変え、森を豊かにする。
この番組では大きなナラタケが登場。きのこから胞子が風にのって漂う場面がありました。
さらに、昔の現風景があり、心が洗われるようでした。
それにしても菌糸は焼かれても死なないのだろうか?
菌糸は熱に強いのだろうか?焼かれると無菌状態になる。きのこが発生しやすいサイクルとなる。
たき火跡からヤケアトツムタケが生えるのは、なぜなのか?土壌が灰、炭となりアルカリ性を好むからか?
アルカリ性を好むきのこは他にあるのか?
森を豊かにする人間の知恵はすばらしい。

クニ子おばばと不思議の森
2011年9月25日(日) 午後9時00分〜9時49分
今なお秘境と言われる宮崎県椎葉村。
その最深部の山奥に、今も夏になると山に火を放ち焼き畑を作る「おばば」椎葉クニ子さん(87)が暮らしている。
焼き畑と言っても南米や東南アジアの大規模開発に使われている略奪的な焼き畑ではない。
毎年焼く場所を変えながら少しずつ畑を作り、4年収穫したら放置して森に返す。
そして30年周期で山全体を一巡する。
それは森の豊かさを保つ営みであることを、かつては誰もが知っていた。
年老いる前に切られた木々は、すぐに新たな芽を出し新たな循環が始まる。
人が焼き「かく乱」することで、森は若返り、畑の作物だけでなく、山菜やきのこなどさまざまな恵みを生み出す




東北のきのこ

 2011/09/07


     国、野生キノコの出荷停止指示 放射能汚染で福島の2町

政府は6日、国の基準を超える放射性物質が検出されたとして、福島県棚倉町と古殿町で採れる
野生キノコの一部に出荷停止を指示した。
棚倉町のキノコについては、食べるのを控える摂取制限も指示した。

 対象はチチタケやマツタケなど、土から発生する菌根性の野生キノコ
同じ野生でもマイタケ、ヒラタケなど枯れ木や落ち葉から発生するキノコは対象外。

 棚倉町で1日に採れたチチタケは基準(1キロ当たり500ベクレル)の56倍に相当する2万8千ベクレル、
古殿町で8月11日に採れたチチタケでも3200ベクレルの放射性セシウムが検出されていた。
福島県は両町に対して、すでに出荷や摂取の自粛を要請している。

朝日新聞 2011年9月6日20時49分



      野生キノコ出荷停止へ 農水省・福島県、放射線検査強化


福島県で採れた野生キノコから国の基準を超える放射性セシウムが相次ぎ検出されたことを受け、
農林水産省などは、それらの地域のマツタケなどについて、原子力災害対策特別措置法に基づく出荷停止と摂取制限の対象とする方針を固めた。
措置が決まれば入山が止められ、まもなくシーズンを迎えるキノコ狩りができなくなる。

 基準の1キロあたり500ベクレルを超えたのはチチタケ
古殿町で3200ベクレル、棚倉町で2万8千ベクレルが検出された。
福島県は両町に出荷や摂取の自粛を要請し、市場に流通はしていない。
しかし、汚染濃度が高いため、農水省と県は両町周辺での検査を強化するとともに、
この地域での出荷と摂取を法律で禁じる必要があると判断した。
生きた木と共生して養分を吸い上げる「菌根菌(きんこんきん)」類全体を対象とする方針で、
ほかにホンシメジなどが含まれる。

 両町は福島第一原発から50キロ以上離れている。
県が棚倉町の採取場所の空間放射線量を調べたところ毎時0.38マイクロシーベルトで、
町中心部と変わらなかった。
このため県などは、チチタケが腐葉土などからセシウムを吸ったとみている。

朝日新聞  2011年9月5日8時0分


      福島の野生キノコ、基準の56倍セシウム

福島県は3日、同県棚倉町の山林で採取した野生のキノコ、チチタケから国の基準値(1キロあたり500ベクレル)の56倍にあたる2万8千ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。
県は同日、同町や出荷業者に対し、同町のチチタケを含むマツタケなどの「菌根菌類」について、
摂取と出荷の自粛を要請した。
県によると、野生キノコの摂取自粛の要請は初めてという。

朝日新聞 2011年9月3日22時6分






2011/8/20

イグチの変色性

全体

管孔

孔口

 

 

 

 

アイゾメイグチ、アメリカウラベニイロガワリ、イロガワリ、コゲチャイロガワリ、ダイダイイグチ

 

青変

 

弱青変

アイゾメクロイグチ、キイロイグチ、キクバナイグチ

 

青変

青変

弱青変

アカジコウ、アシベニイグチ、ナガエノウラベニイグチ、ニセアシベニイグチ、アヤメイグチ

 

弱青変

 

弱青変

アワタケ、キッコウアワタケ

 

 

弱青変

弱青変

コウジタケ

 

青変

 

 

クラヤミイグチ

 

 

青変

青変

タマノリイグチ

 

青変

 

青変

ミダレアミイグチ

 

 

青変

紅変・青変

クロイグチ

 

 

 

弱青変

オオコゲチャイグチ、ドクヤマドリ

 

黄変

黄変

 

オオキノボリイグチ

 

 

濃色変

濃黄色変

キアミアシイグチ

 

 

褐変

多少紅変

キニガイグチ、クロアワタケ、オオミノクロアワタケ

 

 

褐変

 

ホウベニシロアシイグチ

 

 

青変→黒変

青変→赤変→黒変

クロアザアワタケ

 

 

濃色変

 

ウツロイイグチ

 

黒変

 

赤変→黒変

オオクロニガイグチ

 

赤変→黒変

 

赤変→黒変

オニイグチモドキ、コオニイグチ

 

 

 

赤変→黒変

オニイグチ

 

赤変→黒変

 

 

クロニガイグチ

 

淡紅変

 

淡紅変→褐変

キノボリイグチ

 

 

 

黄変

サザナミイグチ

 

 

オリ―ブ色変

淡紅変→灰黒変

スミゾメヤマイグチ

 

 

黄褐変

帯紫灰色変

ネナガシロヤマイグチ

 

 

 

柄上位:淡紅変、柄の基部:青緑変

アオネノヤマイグチ

 

 

 

柄上位:淡ワイン色変→黒変、柄の基部:青緑変

キンチャヤマイグチ




管孔と孔口

 2011/08/15]

ナガエノウラベニイグチ

「夏〜秋、コナラ林に発生。中型〜大型。傘はオリーブ色から褐色を帯びた灰白色。柄は全体に淡いピンク色をおび、のち下部では傘と同色になる。頂部には紅色の網目がある。肉は類白色でわずかに青変する。管孔は淡黄色のちオリーブ色をおびる。孔口は赤色。管孔・孔口とも緑青色に変色。 」の中の
「管孔は淡黄色のちオリーブ色をおびる。孔口は赤色。管孔・孔口とも緑青色に変色。」にあらためて考えさせられる。
以前から疑問に思っていたことがある。
管孔(かんこう)と孔口(こうこう)は同じではないか。
調べてみると孔口は管孔の入り口部分のことらしい。
ナガエノウラベニイグチでは管孔と孔口の色が異なるのか。
いぐちの裏面は孔口の色ではないか。
しかし、よく見ると管孔の色も見える。正確には断面を見ると管孔の色がもっとはっきりと分かると思う。
「管孔・孔口とも緑青色に変色」とは、管孔だけが変色して、孔口が変色しないこともあるのだろうか。



オオコゲチャイグチの裏面。管孔は淡黄色。孔口は茶褐色。やや青く変色。



イボテングタケ

 2011/08/06

イボテングタケの学名はAmaanita ibotengutakeT.Oda,C.Tanaka&Tsudaで「ibotengutake」となっている。
驚いた。日本名だ。
小田貴志(当時京都大学)らの研究グループがテングタケとの相違点を明らかにしてイボテングタケと名ずけたらしい。
また、毒成分のイボテン酸も、このイボテングタケから発見されたようだ。
広葉樹林下はテングタケ。針葉樹林下のものはイボテングタケと記載されているが、
テングタケもイボテングタケは外見上、わかりにくい。
やはり、最終的には顕微鏡観察(担子器基部のクランプの有無)によるのだろうか。



テングタケつぼグループ分け

 2011/08/05


テングタケ科のつぼをグループ分けしてみました。
A 袋状 B 粉質 C 環状 D 浅いつぼ Eその他

テングタケとイボテングタケのつぼは少し違うらしい。

テングタケ科つぼ(グループ分け)
基部

A
ツルタケ 白色膜質・さや状のつぼ 袋状

シロツルタケ 白色膜質・さや状のつぼ 袋状

オオツルタケ 白色膜質・さや状のつぼ 袋状

カバイロツルタケ 白地に淡橙白色〜橙褐色のしみ 膜質・さや状のつぼ 袋状

タマゴテングタケモドキ 白色膜質・袋状のつぼ 袋状

コテングタケモドキ 白色膜質・袋状のつぼ 袋状

クロタマゴテングタケ 白色膜質・袋状のつぼ 袋状

ツルタケダマシ 白色膜質・袋状のつぼ 袋状

ドクツルタケ やや塊茎状に膨らむ 袋状のおおきなつぼ 袋状

タマゴタケ 白色厚い膜質・袋状のつぼ 袋状

フクロツルタケ 大型厚い膜質・袋状のつぼ 袋状


B
ヒメコナカブリツルタケ 塊茎状に膨らむ 灰白色〜灰色の粉質物に覆われる 粉質

ヒメコガネツルタケ 塊茎状に膨らむ 粉状のつぼ 粉質

ヒメベニテングタケ 塊茎状に膨らむ 粉質のつぼ(黄色〜橙赤色) 粉質

カバイロコナテングタケ 膨らむ 粉質のつぼがやや環状に残る 粉質

ハイカグラテングタケ 棍棒状に膨らむ 灰褐色粉質のいぼに覆われる 粉質


C
テングタケ 塊茎状に膨らむ つぼの名残が襟状となって残る 環状

イボテングタケ つぼの名残が環状となって残る 環状

テングタケダマシ 塊茎状に膨らむ つぼの破片が多数環状に付着する 環状

シロオニタケ 棍棒状に著しく膨らむ 表面に多数の尖ったいぼが幾重にも環状に付着する 環状

シロオニタケモドキ 塊茎状に膨らむ 多くの小いぼを環状に付着させる 環状

ササクレシロオニタケ 紡錘形に膨らむ 下半部にはうろこ状のささくれを多数輪状につける 環状
いぼは不明瞭

ガンタケ 塊茎状に膨らむ 粉状のつぼの破片が多少環状に付着する 環状
脱落しやすい

ベニテングタケ 塊茎状に膨らむ 白色のつぼの名残が環状に残る 環状

ヘビキノコモドキ 塊茎状に膨らむ つぼの破片が幾重にも環状に付着する 環状

ウスキテングタケ 塊茎状に膨らむ 薄い膜質のつぼの名残を付着させる

コシロオニタケ かぶら状〜広紡錘状に膨らむ 綿くず状または錐状のいぼが付着する

タマシロオニタケ 偏球状に膨らむ いぼを付着する

テングツルタケ 灰黒色の崩れやすい綿質のつぼ つぼの破片が不完全な輪状となって残る

コガネテングタケ 塊茎状に膨らむ 黄色のつぼの破片が付着 ときに不完全な環状となる


D
コタマゴテングタケ 塊茎状に膨らむ 浅いつぼ

クロコタマゴテングタケ 塊茎状に膨らむ 橙褐色を帯びた白色の浅いつぼ


E
シロテングタケ 棍棒状〜紡錘状に膨らむ つぼのとれた後の内層が残る

カブラテングタケ カブラ状に膨らむ



テングタケのつぼ
 2011/08/04

テングタケ科の「つぼ」に焦点を合わせ遊んでみました。



タマゴテングタケモドキ(アカハテングタケ)…白色膜質で袋状のツボ



クロコタマゴテングタケ ツボ…基部は球根状に膨らみ橙褐色を帯びた白色の浅いつぼ



クロタマゴテングタケ ツボ…白色膜質で袋状のツボ



コテングタケモドキ ツボ…基部に袋状のつぼがある



シロオニタケ ツボ…基部は肥大し、尖ったイボが幾重にも環状に付着する



ドクツルタケ ツボ…根もとは、やや球根状にふくらんで袋状の大きなつぼをそなえる



フクロツルタケ ツボ…膜質で袋状の大きなツボ(大型で深いツボ)



ヘビキノコモドキ ツボ…基部は丸く球根状。肥大部の上部に黒褐色のツボの破片が幾重にも環状に付着する



テングタケ科つぼ(参考)

ツルタケ 白色膜質 さや状

カバイロツルタケ 白地に淡橙白色~橙褐色のしみ 膜質 さや状

テングツルタケ
○灰黒色の崩れやすい綿質のつぼ
崩れやすい膜質のつぼ
袋状とならない 不完全な輪状 綿質
○つぼの破片が不完全な輪状となって残る

タマゴテングタケモドキ 白色膜質 袋状 さや状

コテングタケモドキ 白色膜質 深い袋状

クロタマゴテングタケ 白色膜質 袋状

ツルタケダマシ 基部は肥大 白色膜質 袋状

ドクツルタケ根元はやや球根状に膨らむ 袋状のおおきなつぼ

タマゴタケ 白色厚い膜質 深い袋状

テングタケ○根元は膨らむ 
ごく浅い環状 複数のリング状 
○つぼの名残が襟巻状となって残る

イボテングタケ
○根元はに膨らむ
○つぼの名残が環状となって残る 複数のリング状

テングタケダマシ
○根元はに膨らむ 環状
○つぼの破片が多数環状に付着する

ヒメコナカブリツルタケ
○根元は球根状に膨らむ 粉質
○灰白色~灰色の粉質物に覆われる

コタマゴテングタケ
○根元は球根状に膨らむ
○浅いつぼ

クロコタマゴテングタケ
○根元は球根状に膨らむ
○橙褐色を帯びた白色の浅いつぼ
 
シロテングタケ
○基部は棍棒状~紡錘状に膨らむ
○つぼのとれた後の内層が残る
 
フクロツルタケ 白色~茶褐色で大型のつぼ 大型厚い膜質

ガンタケ
○根元は球根状に膨らむ 環状 粉状
○粉状のつぼの破片が多少環状に付着する
 
ヘビキノコモドキ
○基部は肥大 環状
○つぼの破片が幾重にも環状に付着する
 
カブラテングタケ 根元はカブラ状に膨らむ

コシロオニタケ
○基部はおおきく膨らむ 環状
○綿くず状または錐状のいぼが付着する
 
タマシロオニタケ
○根元はボール状に膨らむ
○いぼを付着する
 
ササクレシロオニタケ
○基部は紡錘形 環状
○下半部にはうろこ状のささくれを多数輪状につける
○いぼは不明瞭
 
シロオニタケ
○基部は棍棒状に膨らむ 環状
○表面に多数の尖ったいぼが幾重にも環状に付着する

ハイカグラテングタケ
○基部は棍棒状に膨らむ 粉質のいぼ
○灰褐色粉質のいぼに覆われる




2011/4/20

無性世代と有性世代 


キシラリア・リクイダンバルXylaria liquidambar

画像はフウの実から発生しているキノコだが、同じフウの実から発生するフウノミタケがある。

フウノミタケはアセタケ科のキノコであり、
Xylaria liquidambarはクロサイワイタケ科のキノコだ。

どうして同じ宿主(フウの殻斗)から2種類のキノコが発生するのだろうか?
フウノミタケは担子菌であり、Xylaria liquidambarは子のう菌である。

子のう菌とは…
「都会のキノコ」本では、「棒形のキノコではその表面に無数に埋め込まれた小さな瓶のようなものがあり、この小さな瓶を「子のう殻」という。その小瓶の内面を「子実層」といい、その表面で胞子が作られる。胞子は子実層の表面にできる「子のう」という袋の中にできる。」

と記載されている。

Xylaria属では「子のう殻」は「埋生」となっている。

「日本のきのこ」(山と渓谷社)本ではホソツクシタケの項では「埋没する子のう殻のため粒状になる。」

と記載されている。Xylaria liquidambarにおいても同じことがいえるだろう。

Xylaria liquidambarの子実体は白い部分と黒い部分がある。なぜだろう?

ホソツクシタケの項では「黒褐色だが幼体では先端が白い。」

「きのこ図鑑」(幼菌の会)本では「幼若時、無性世代を形成し白粉状、成熟時、黒色、表面はいぼ状。」

と記載されている。Xylaria liquidambarでも無性世代と有性世代があるのだろうか?

幼若時、無性世代で白い無性胞子(分生子)を放出し、成熟時、有性世代の黒い胞子を放出するのだろうか?どこで世代を交代するのだろうか?

分生子(ぶんせいし)は冬虫夏草のところでよく出てくる言葉だ。

ハナサナギタケの項では「子実体は分生子柄束と房状の頭部からなり、頭部は粉状である。

分生子体で有性生殖が起こり、子のう果ができればウスキサナギタケになると考えられている。」と記載されている。この白い粉状のものが分生子だと思う。

無性世代(不完全世代 アナモルフ)ではハナサナギタケ、有性世代(完全世代 テレオモルフ)ではウスキサナギタケとなり、有性世代になるのは稀なのだろう。

どこで無性世代、有性世代が決まるのだろうか?

無性世代、有性世代では姿、形が全く異なる。

コブリマメザヤタケの無性世代も同様(ネットで検索)、マメザヤタケの姿ではない。

このように子のう菌が無性世代、有性世代を繰り返すのが不思議だ。

○○の無性世代を探してみよう。ひょとすると、それは○○の無性世代かもしれない。




2011/4/19

ハルシメジ

ハルシメジを近くに梅林がないので桜の樹木を探すが見つけられず。

ハルシメジについて

ハルシメジ

発生

ヒダ

食区分

日本のきのこ図鑑より

4〜5月

バラ科の樹下(リンゴ・ナシ・モモなど)

58cm

ねずみ色

暗色の繊維紋あり

やや疎

白色のち肉色。

48cm

白〜帯灰色。

繊維状。

白色。

粉臭。

可食

日本の毒きのこ図鑑より

46月頃

バラ科の樹下(ウメ・サクラ・リンゴなど)

散生〜群生

小型〜大型。

繊維状のかすり模様あり。乾燥するとしばしば中央部・周辺部が割れて肉が露出する。

淡灰色のち淡赤色になる。

従来食用とされていたが中毒例があるので注意が必要。

ハルシメジ3タイプ(日本の毒きのこ図鑑より)

タイプ

ウメの樹下に発生する中型タイプ

しばしば傘の中央部がひび割れる。

かすかに花のような甘い香りとやや強い小麦粉臭がある。

ウメの樹下に発生する大型タイプ

傘の色がやや白っぽい

かすかに花のような甘い香りとやや強い小麦粉臭がある。

サクラの樹下に発生する小型〜中型タイプ

傘の色がやや黒っぽい

しばしば、へりの部分から放射状にひび割れる。

かすかに花のような甘い香りと弱い小麦粉臭がある。

きのこ図鑑(幼菌の会)より

タイプ

発生

ヒダ

タイプT

(梅型)

ウメ・モモなどの樹下

中型〜大型


灰白色〜帯褐灰色。

非吸水性

白色のちピンク色。

白色。
傷つけるとゆるやかに赤変

粉臭。

中実。

可食

タイプU

(桜型)

サクラ・ノイバラ・ズミなどの樹下。

小型


(光沢のある)灰褐色〜暗褐色。

吸水性

灰白色のちピンク色。

白色。
傷つけるとゆるやかに

赤変しない

中実〜中空。

可食

タイプU…タイプTとは、より小型、傘の色がより濃色、肉が変色しない点で区別できる

あるプログによる
タイプU(桜型)…タイプT(梅型)に比べて全体的に華奢でクサウラベニタケに酷似


北陸のきのこ図鑑より

発生

ヒダ

縁シスチジア

胞子

梅型A

梅林樹下

410cm

淡ネズミ色〜暗灰褐色。

粘性なし。

中実。

上生〜湾生。

やや疎

白色。

弱い粉臭。

変色性なし。

紡錘形

球状多角形。

7.59μm.

可食

梅型B

梅林樹下

37cm

暗帯黄褐色。

粘性なし。

中実〜中空。

ときにねじれ有り。

上生

やや密

白色。

弱い粉臭。

変色性なし。

シスチジア

なし。

球状多角形。

6.57.5μm.

可食

B型…外見はA型の小振りに酷似するが、やや淡色で胞子がやや小さく、縁シスチジアがないので区分した。



ハルシメジ     2010.5月 京都にて




ケコガサタケ属?

 2011/03/11

画像は昨日、神社の苔の間から発生していたものです。
ケコガサタケ
属(Galerina)と思いますが…
傘…条線あり。中央やや高くなっている。
柄…やや薄紫色。




ブヨブヨのきのこ

 2011/03/09

コガネニカワタケハナビラダクリオキンはどう違うのか。悩んでいます。
見かけ上は、コガネニカワタケ黄色
ハナビラダクリオキン橙色
双方とも嚢状から葉状になっていくのか?

コガネニカワタケ
シロキクラゲ科
ハナビラクリオキンアカキクラゲ科

シロキクラゲ科
…担子胞子が発芽すると酵母状になり、担子器は隔壁で仕切られ多細胞

アカキクラゲ科
…担子胞子が発芽すると菌糸状になり、担子器に隔壁なく、上部が分岐して音叉状となる。
隔壁(ハラタケ類の子実体菌糸を仕切る壁)
最終的には顕微鏡観察によるのか?



参考
アカキクラゲ科
ハナビ
ラダクリオキンアカキクラゲ科針葉樹林の枯れ幹上に発生。
橙色
〜橙赤色
脳みそ
状、のち分裂して葉状の裂片となる。
担子器は1室、上端はY字形。胞子ソーセジ形で1〜7個の隔膜を生じる。


シロキクラゲ科
コガネニカワタケ
シロキクラゲ科広葉樹の落枝上に発生することが多い。
全体黄色〜橙黄色
初めしわの寄った塊状、のちしわの部分が波状〜花びら状に隆起する。(東北きのこ図鑑
樹皮の裂け目から嚢状に生じ、生長して互いに融合し黄金八重咲き花弁状。(北陸のきのこ図鑑

キイロニカワタケシロキクラゲ科
広葉樹
の落枝上に発生。各片は扁平で花弁状の縁部が角張り、加熱すると橙色を帯び、
コガネニカワタケ
より担子器や胞子が小さい


コガネニカワタケ


天狗巣病

 2011/03/03

ある日、近所の植物園温室で熱帯の樹に変な葉っがついていました。
その葉っぱは、子供ハサミ葉っぱを半分に切ったような形でした。
その時は、おかし葉っぱだなと思っていました。
先日、図書館で「チョコレートを滅ぼしたカビキノコの話」という本を借りました。
パラパラ
めくっていくと、「あ、この前の葉と同じだ」「半分の葉っぱだ」。
これは天狗巣病によるものらしい。
この本にはこのように書かれている。
天狗巣病魔女の箒)にかかると、出てくる新梢が膨らんで棒状に変形し、いじけた葉をつけるようになる。




 クリペリス ペルニシオーサ Crinipelis Perniciosa による天狗巣病

クリペリスは葉をつける普通の枝だけでなく、幹に直接ついている花にも感染して、いずれも不格好な魔女の箒に変えてしまう。
さら
に、この菌は果実にもついて、中の組織を破壊し、豆(カカオ)を殺す。”
魔女の箒が乾いて萎れてくると、菌は赤みがかった白い小さなキノコを作り、植物から旅立つ準備を整え、
空気が冷え込んだ夜に担子胞子の雲を飛ばす。




カカオノキの枝から出ていクリペリス ペルニシオーサ Crinipelis Perniciosa の子実体

この クリペリス Crinipelisとは、ニセホウライタケ属のようだ。ラテン語読みではクリペルリスだろう。

ブラジルの生産量(カカオ)は、1990年代の半ばごろまでコートジボワールに次いで2番目だったが、
クリ
ペリス ペルニシオーサ という菌が出てきたために、
コートジボワール
ガーナインドネシアナイジェリアなどに抜かれて5番目に落ちてしまった。…”

きのこの生物界での位置

 2011/02/18



きのこの生物界での位置」の図、分かりやすいですね

10
億年前に動物と菌類の共通の祖先が分化している。
現在では「菌類植物より動物に近い。」ということが最近のDNAによる系統解析でも、このことが確かめられている。
と記載されている。
また、下段では
ウイタカー(Robert Whittaker)の5界説は、誤解説
とも記載されているが、
菌類ふしぎ」本によるとWhittakerは、生物の栄養の摂取の方法に着目した。

植物
光合成によって栄養をとる。
そして、動物は、植物や他の動物を捕まえ、口からものを取り込んで体内で消化する(摂食)。
これに対し、菌類は、細胞から消化酵素を分泌することによってまず細胞外の栄養物を分解し、
細胞
内に取り込んで界生活している(吸収)。

大阪自然史博物館のS氏は「きのこ胃腸を外側にした動物のようなものだ」と云っている。
菌類
は表面から周囲に酸や酵素を出し、分解して吸収する。
そのために餌の内部に入り込める細長い体をもつ。
他の生物の組織内に入り込み寄生または共生関係を持つものが多いの菌類の特徴。 と記載されている。

Whittaker
は、生物をまず核生物と真核生物に大別し、
そして真核生物を栄養吸収法によって動物界植物界菌界に分類した。
分類方法を生物の栄養の摂取の方法に着目した点がすごい。今や分子系統学のDNAによる分類。

ちょっと疑問

2011/02/15

ある人のプログを見ていると「本当?」かと2つの図鑑を開いてみた。
「日本のきのこ」(山渓)P469のキカイガラタケの写真と「きのこ図鑑」(幼菌の会)P241の写真は確かに同じである。
しかし、「日本のきのこ」(山渓)では、キカイガラタケ、「きのこ図鑑」(幼菌の会)ではヒロハノキカイガラタケとして記載されている。どちらが正しいのか?
「きのこ図鑑」(幼菌の会)によるとキカイガラタケは寒冷地に多く、ヒダは細かく、しばしば分岐する。
一方のヒロハノキカイガラタケは暖温帯を中心に分布。やや粗いヒダ状と書かれている。

カイガラタケは裏がヒダ状になっているので分かり易いと思っていたが、調べてみると色々ある。
コゲイロカイガラタケ、チャカイガラタケ、キカイガラタケ、ヒロハノキカイガラタケ
これからは、カイガラタケの裏面も注意深く観察しよう。

ヒダが放射状、迷路状、分岐しているか。

次はコフキサルノコシカケオオミノコフキタケに関すること。

今までコフキサルノコシカケと思っていたのが、オオミノコフキタケであったりすることがあるらしい
従来のココア状の胞子をかぶったものは間違いなくコフキサルノコシカケと思うが…
コフキサルノコシカケオオミノコフキタケとは、どう違うのか?
断面が違うらしいが…
顕微鏡観察ではオオミノコフキタケのほうが胞子が大きいとのこと。
いずれにしても、これからは、よく観察してみよう。


白色孔腐れ

2011/02/11

先日、公園にてキノコ探しをしたが、目立ったきのこなし。
その中で数本の倒木(朽木)に所々に孔が開いている。
何の孔かな。虫の仕業かな? それとも鳥かな。

と考えながら帰宅した。

 暇なので図書館から借りてきた「菌類のふしぎ」(国立科学博物館編)を何気なくページをめくっているとP55、図11

オオカタウロコタケによる孔腐れ、倒木に生えた子実体と材、材全体が一様に腐朽せず、部分的に分解が進み、分解が進んだ材表面は無数の孔があいたような状態で、
顕著な「白色孔腐れ」となっている。”

 と記載されている。

私が公園で見た朽木の孔は「白色孔腐れ」とは違うかもしれない。

そのおかげで、「白色孔腐れ」という言葉を知った。

「日本のきのこ」図鑑のオオカタウロコタケP426には

“ナラなどの広葉樹の材に「白色ぐされ」を起こす。”

と載っている。

ほかに「白色ぐされ」を起こすものとして「オオウロコタケ」「アズマタケ」「カワウソタケ」等がある。

白色孔腐れ」とは、恐らく樹木の褐色のルグニンを分解し、白色であるセミロースが残った状態のものを呼ぶのだろう。

それにしても菌類の樹木を孔だらけにする力はすごい。


農作業する粘菌

 2011/01/25


今日の朝日新聞に粘菌のおもしろい記事が載っていました。

農作業する粘菌

エサの細菌減少取り込み移動まいて増やし食べる


   

キイロタマホコリカビ。柄の先端にある丸い部分に胞子が詰まっている (ネイチャー提供)


「農業」をする粘菌が見つかったと、米ライス大学の研究チームが英科学誌ネイチャーで発表した。

エサとなる細菌が少なくなると、食べ尽くさずに一部を体に取り込んでから別の場所に移る。

移動先で体内の細菌をまいて、新天地で細菌が増えるのを待って食べるという。

この粘菌は、生物学の実験でよく使われる「キイロタマホコリカビ」。

新天地を目指して移動する時には、それまでバラバラに動いていた数万の細胞が寄り集まって、ナメクジのような形になる。

移動先で胞子をまいて繁殖するときに、胞子を包む袋の中に取り込んでいた細菌も一緒にばらまく。

研究チームは、米国各地で採取した野生の35株のうち、
13株がこうした原始的な「農業」をすることを見つけた。
移動先にエサの細菌がいない場合でも、農業をするものは問題なく繁殖できたという。

農業をする生物は、キノコを育てるアリやシロアリなどが見つかっている。
2011.1.25 朝日新聞)

キイロタマホコリカビ
は通常の粘菌ではなく、細胞性粘菌の一種であり、
モデル生物として広く研究されているらしい。

農業をする
「エサとなる細菌が少なくなると、食べ尽くさずに一部を体に取り込んでから別の場所に移る。
移動先で体内の細菌をまいて、新天地で細菌が増えるのを待って食べるという。」

粘菌は不思議だ。そして賢い。


連絡脈のこと

 2010/12/22

1
「連絡脈」について今、私が図書館で借りている「図解きのこ鑑別法」には次のように記載されています。
しばしば、隣接したヒダまたは小ヒダの間に小さなヒダがあり、互いを連結する。
このためにヒダ全体がちょうど葉脈のように見える。
このような相互結合をもつ状態を「ヒダが脈状に連絡した」といい、この型の分岐は「連絡脈がある」と呼ばれる。
ひだ
ひだを結ぶ血管が走っているように見える。まさに「しわひだ」と呼べるものだ。


連絡脈のあるきのこ(一部)をpick upしました。
アンズタケ…放射状しわひだ。脈連絡あり。
アンズタケ」と「ヒナアンズタケ」との相違は連絡脈の有無によるそうです。
サクラタケ…脈絡あり。キチャホウライタケ…脈絡あり。
ドクベニマシ…小ひだなく叉状分岐稀。
キヒダタケ…脈絡あり。
オト
メノカサ


ヒダの付き方?

 2010/12/17


ヒダと柄の関係で、本をみると、よく図が描かれていすね
離生、上生… などの専門用語
図を見ただけでは解らない。
私だけだろうか。
どの本を見てもほぼ同じ図だ。もっと解りやすい図と説明文がほしい。
図書館
で借りた「図解きのこ鑑別法」には多少、わかりやすい図と説明文があるが、
翻訳したものなので文が堅苦しい。
少しは理解できたが、柄を切断した状態を見て「離生」、「上生」…などと判断できるようになりたい

下記の表は「離生、上生…などには、どんきのこがあるのか。」を一覧にしたものです。

図解きのこ鑑別法より
ひだ付き
離生…ヒダと柄が全く付着していない場合。
隔生…離生の場合に柄の上部で傘の一部が小さなリング状に見える。この部位に広い間隙がある場合。
湾生…ヒダが柄に付着する部分で小さなV字形の刻み目が入っているように見える場合。
上生…ヒダが部分的に柄に付着しており、その結果、柄に付く部位でヒダの大きな三角形の断片が取り除かれたような形をとる場合。
垂生…ヒダが柄に沿って下がって付着している場合。
直生…ヒダが柄におおよそ直角付き、ヒダの幅の大部分が柄に付着している場合。


日本のきのこ図鑑より

離生
アカヤマタケ…  ヤマタケヌメリガサ科
トガリツキミタ
ケ …  アカヤマタケヌメリガサ科
トガリベニヤマタケ
…   アカヤマタケヌメリガサ科
キツネ
カラカサ …  キツネカラカサハラタケ科
アカキツネガサ
 …  シロカラカサタケハラタケ科
コガネキヌカラカサタケ…   キヌカラカサタケハラタケ科
シロヒメカラカサタケ
 …  キヌカラカサタケハラタケ科
フクロタケ
 …  フクロタケウラベニガサ科
ヒョウ
モンウラベニガサ…   ウラベニガサウラベニガサ科
ベニヒ
タケ…   ウラベニガサウラベニガサ科
シロ
ヌメリカラカサタケ …  ヌメリカラカサタケテングタケ
チャ
ヌメリカラカサタケ…   ヌメリカラカサタケテングタケ科
オオシロアリタケ
 …  オオシロアリタケシメジ
シロコナカブリ
 …  クヌギタケクヌギタケ科
アシナガタケ
 …  クヌギタケクヌギタケ科
ツルタケ
 …  テングタケ属テングタケ科


上生
キイロアセタケ …  アセタケ属アセタケ科
オキヌハダトマタケ …  アセタケ属アセタケ科
シロトマ
タケ …  アセタケ属アセタケ科
ヒイロガサ
 …  アカヤマタケヌメリガサ科
アキヤマタケ …  アカヤマタケヌメリガサ科
シワカラカサタケ
 …  シワカラカサタケハラタケ科
カワムラフウセンタケ …  フウセンタケ属フウセンタケ科
ザナミツバフウセンタケ …  フウセンタケ属フウセンタケ科
コザ
ミノシメジ…  ザラシメジキシメジ科   湾入上生

隔生

オシロカラカサタケ …  オオシロカラカサタケハラタケ科
マントカラカサタケ
 …  カラカサタケハラタケ科
カラカサタケ
 …  カラカサタケハラタケ科
シロオオハラタケ
 …  ハラタケハラタケ科

垂生
カヤタケ …  カヤタケキシメジ科
ホテイシメジ …  カヤタケキシメジ科
ハイ
イロシメジ …  カヤタケキシメジ科
ドクササコ…  カヤタケ
キシメジ科
ヒダサカキタケ…  ヒダサカキタケ属キシメジ科
ダイダイサカ
キタケ …  ダイダイサカキタケ属
オオイチョウタケ …  オオイチョウタケキシメジ科
ベニヒガサ
 …  アカヤマタケヌメリガサ科   柄に長く垂生
ナノガサ …  ヒナノガサ属             柄に長く垂生
ミズゴケ
ノハナ …  アカヤマタケヌメリガサ科  直生状垂生
ヒカゲウラベニタケ…   ヒカゲウラベニタケ属イッポンシメジ科
ツノウラベニタケ…   ヒカゲウラベニタケ属イッポンシメジ科
クギタケ
 …  クギタケ属オウギタケ科
オウギタケ
 …  オウギタケオウギタケ科
ヒダハタケ
 …  ヒダハタケヒダハタケ
ツキヨタケ
 …  ツキヨタケホウライタケ科
ヒメカバイロタケ
 …   ヒメカバイロタケクヌギタケ科  柄に垂生
シロハツ
 …  ベニタケ属ベニタケ科   やや垂生


湾生
ニオウシメジ…   ニオウシメジ属キシメジ科
ネズミシメジ
 …  キシメジ属キシメジ科
クマシメジ
 …  キシメジ属キシメジ科
ハマシメジ
 …  キシメジ属キシメジ科
マツタケ
 …  キシメジ属キシメジ科
ミネシメジ …  キシメジ属キシメジ科
シロケシ
メジ …  キシメジ属キシメジ科
カラマツシメジ
 …  キシメジ属キシメジ科
キヒダマツシメジ …  キシメジ属キシメジ科
カキシメジ
 …  キシメジ属キシメジ科
ウラベニホテイシメジ
 …  イッポンシメジ属イッポンシメジ科  直生状湾生


直生
ナシメジ …  シロタモギタケシメジ
ヤケノシメジ …  ヤケノシメジ属シメジ
マツキカバタケ …  ヤグラタケモドキ属キシメジ科
ヒノキオチバタ
ケ …  シロホウラタケホウライタケ科


ひだの付き方2

 2010/12/20

ひだ
付き方(ひだと柄との関係)


垂生…ウスタケのような垂生もあればナラタケような垂生もある。
離生…テングタケテングタケ科は、ほとんど離生)深く帽子をかぶっている感じ。
カサ
ヒダタケウラベニガサ科もほとんど離生)
湾生…ウラベニホテイシメジ、V字形の刻目notchが入っているように見えるれば湾生。
隔生…ナカグモリノカサ、どちらかというと離生に近いかな。
柄の上部で傘の一部が小さなリング状に見える。この部位に広い間隙があれば隔生。
カラカサタケ
であれば典型的な隔生。写真があれば良いが

 



ウスタケ 垂生

 

ウラベニホテイシメジ湾生



カサヒダタケ離生



テングタケ離生



ナカグロモリノカサ離生〜隔生



ナラタケ垂生.


きのこ と 俳句

 2010/12/13


本題(きのこ俳句って どんなものがあるのかな?)

俳句
NHKの「坂の上の雲」に登場する正岡子規の句
人も来ず 辻堂荒れて 線香
   線香茸って、どんきのこかな。

小林一茶
の句
うつくしや あらうつくしや 毒きのこ 
  毒きのこって、ベニテングタケのような美しいきのこだったのだろう。

天狗茸 立てり魔所の 入口に
   不気味であり、おかしくもある。

手の前に 蝶の息つぐ茸哉
   小林一茶らしい句だ。

松尾芭蕉
の句
松茸や 知らぬ 木の葉の へばりつく

  きのこによく木の葉がへばりついているのを見かけるが、それを句にしたもの。
  松尾芭蕉にかかると感慨深いものとなる。

向井去来
の句
松茸や 人に とらるる 鼻の先
  ユーモラスだが、本人にすれば悔しかったことだろう。

高浜虚子
の句
爛々(らんらん)と 昼の星見え 菌(きのこ)生え
   焦点がきのこに注がれている。


きのこの読み方と漢字

2010/12/11


先日、週刊文春の中のグラビアで「ベニカノアシタケ」が載っていましたが、
ベニ
カノ、アシタケと口ずさんでいました。
ある時、「鹿」のことが話題になって「カノシタ」は「鹿の舌」と書いてカノシタ
ベニカノアシタケ」は「紅鹿足茸」と書いてベニカノアシタケではなかろうか?
と調べてみたら紅鹿足茸ではなく「紅蚊足茸」と書いてベニカノアシタケであった。
つま
ベニカノアシタケと読まないといけない。

きのこの語源・方言事典」・・・紅鹿脚茸
原色きのこ図鑑」(北隆館)・・・紅鹿の足茸
「北陸のきのこ図鑑」・・・紅蚊脚茸です。

他に私が間違った読み方をしていたのは、
誤った読み ミミナミハタケ→正しい読み ミミ、ナミハタケ(耳波稜茸)
キヌメリ、ガサ→正しい読み キ、ヌメリガサ (黄粘傘)
アカエノ
、キンタケ→正しい読み アカエノ、キンタケ(赤柄頭巾茸)
他には 
誤った漢字 ハカワラタケ(葉瓦茸)→正しい漢字 ハカワラタケ(歯瓦茸
などがありました。

意味がわからない漢字

(玉猪苓?布袋?)  タマチョレイタケ 玉猪苓茸
ホテイシメジ 布袋湿地

美しい漢字
フミヅキタ  文月
マイタケ
  舞茸
シコンアジ
ガサ  紫金網代笠

「皮」を使った漢字
ササクレフウセンタケ  逆皮風船茸
アイカ
タケ  間皮茸

「実」を使った漢字
マルミノ
ガサタケ  丸実日傘
コザ
ミノシメジ  小粗実湿地

いやな漢字
センボンクズタケ  千本屑茸


下記の表はきのこ名を漢字にしたものです。きのこの読み方の参考になるかもしれません。

1
 アイカタケ  間皮茸
2
 アイシメジ  藍湿地
3
 アイシロハツ  藍歯白初
4
 アオロウジ  青老爺
5
 アカエノキンタケ  赤柄頭巾
6
 アクイロウスタケ  灰色臼茸
7
 ウスバハイタケ  薄歯紫背茸
8
 オオキヌハダトヤマタケ  大絹肌苫屋茸
9
 オツネンタケモドキ  擬越年茸
10
 オドタケ  御堂茸
11
 カキシメジ  柿湿地
12
 カタウロコタケ  堅鱗茸
13
 カノシタ  鹿舌
14
 カノツノタケ  鹿角茸
15
 カベンタケ  花弁
16
 カラハツタケ  辛初茸
17
 ガンタケ  雁茸
18
 キヌメリイグチ  黄滑猪口
19
 キヌメリガサ  黄粘傘
20
 キララタケ  雲母
21
 クサウラベニタケ  臭裏紅茸
22
 クロフチシカタケ  黒縁鹿茸
23
 ケシハツ  毛白初
24
 ケロウジ  毛老人
25
 コウタケ  香茸
26
 コキイロウラベニタケ  濃色裏紅茸
27
 コケイロサラタケ  苔色皿茸
28
 コケイロヌメリガサ  苔色粘傘
29
 コザミノシメジ  小粗実湿地
30
 コチャダイゴケ 小茶台苔
31
 コフキサルノコシカケ  粉吹猿腰掛
32
 ササクレフセンタケ  逆皮風船茸
33
 サマツモドキ  擬早松
34
 シコンアジガサ  紫金網代笠
35
 シハイタケ  紫背茸
36
 シモコシ  霜越
37
 シロツチガキ  白土柿
38
 センボンクズタケ  千本屑茸
39
 センボンサイギョウガサ  千本西行
40
 タマチョレイタケ  玉猪苓茸
41
 チャツムタケ  茶錘茸
42
 ツチグ  土栗
43
 ツヤマグタケ  艶馬糞茸
44
 テングノメシガイ  天狗飯櫂
45
 トキイロラッパタケ  鴇色ラッパタケ
46
 トビチャチチタケ 鳶茶乳茸
47
 トフンタケ  兎糞茸
48
 ハカワラタケ  歯瓦茸
49
 ヒダハタケ 襞歯茸
50
 ヒメカタショウロ  姫硬松露
51
 フミヅキタケ  文月
52
 ベニカノアシタケ  紅蚊足茸
53
 ホテイシメジ  布袋湿地
54
 マイタケ 舞茸
55
 マクキヌガサタケ 巻衣笠茸
56
 マルミノガサタケ  丸実日傘
57
 ミイノモミウラモドキ 三重紅絹
58
 ミキイロウスタケ  幹色臼茸
59
 ミミナミハタケ  耳波稜茸
60
 ムレオオイチョウタケ  群大銀杏茸
61
 ロクショウグサレキン  緑青腐菌



菌根菌イグチ

 2010/12/09]


イグ
チは菌根ということで下記の表を作成しました。参考になれば幸いです。

イグ
チ類(菌根菌

宿主
(山渓の日本のきのこ図鑑より)
きのこ
観察月
1
  チチアワタケ…  2針葉マツ  10(9月)
2
  ヌメリニガイグチ …  アカマツコナラ林  9(7,10月)  10(9月)
3
  ミドリガイグチ…   アカマツコナラ林やシイ林  8(9月)  10(9月)
4
  クロガイグチ …  シイ林やアカマツコナラ林  8(7,9月)  10(7月)
5
  ミヤマベニイグチ …  シイカシ林、アカマツコナラ林  8(7,9月)  9(7,9月)  10(7月)
6
  ヌメリコウジタケ…   コナラクヌギアカマツコナラ  10(9月)
7
  オニイグチ …  広葉樹林またはマツとの混生林  8(7月)  9(7月)  10(7月)
8
  コオニイグチ …  主にシイカシ林  10(7,9月)
9
  ヤシャイグチ  … 主にシイカシ林  8(7月)  10(9月)
10
  オオヤシャイグチ…   主にシイカシ林  9(7月)  10(9月)
11
  セイタカイグチ …  コナラなど  8(9月)  10(9月)
12
  アカヤマドリ  … コナラクヌギミズナラシイなど  8(7,9,10月)  9(7月)  10(7,9月)
13
  アワタケ …  広葉樹林  8(6月)  9(7月)
14
  キッコウアワタケ …  広葉樹林  8(7月)  10(7,910月)
15
  キアミアシイグチ …  広葉樹林  8(9月)  9(7月)  10(7月)
16
  コウジタケ  … 広葉樹林  9(7月)  10(10月)
17
  ウツロイグチ …  広葉樹林(主にブナ科)  8(9月)  10(9月)
18
  ムラサキヤマドリタケ  … 広葉樹林(主にブナ科)またはマツとの混生林  8(7月)  9(7月)
19
  クリイロイグチ  … ブナ科の木をまじえた広葉樹林または針葉樹林8(7月)9(7月) 10(7,9月)
20
  コショウイグチ… 広葉樹林コナラシラカバ)・針葉樹林アカマツ・モミ) 8(5月) 10(10月)
21
  キイロイグチ …  針葉樹林広葉樹林  8(7月)  9(7月)  10(7,9月)
22
  アケボノアタケ …  針葉樹林及び広葉樹林  10(9月)
23
  ニガイグチ …  広葉樹林及び針葉樹林  8(6,9月)  10(7月)
24
  キクバナイグチ  … 林地  8(7月)  9(7月)  10(7月)
25
  クロアザアワタケ …  ブナ科  10(7月)
26
  モエギアミアシイグチ …  ブナ科  10(9月)
27
  ニガイグチモドキ  … ブナ科  10(9月)
28
  ホオベニシロアシイグチ  … ブナ科  8(9月)
29
  シワチャヤマイグチ  … ブナ科  8(9月)  10(9月)
30
  ヒメコウジタケ  … ブナ科  8(7,9月)  10(79月)
31
  ブドウガイグチ  … ブナ科  8(7,9月)  9(7月)
32
  クリイロニガイグチ  … ブナ科  9(7月)
33
  コゲチャガイグチ …         9(7月)

20082010年の3年間にて33種のイグチを観察。


樹齢ときのこの関係

 2010/12/03

私が常に疑問に思っていることがあります。
「樹齢と共にきのこも変わっていくのか?」ということです。

図書館
で借りた「森のきのこたち」(八坂書房、柴田尚著)では

カラマツ
林では芽生え3年目に
キツネタケワカフサタケ、ワカフサタケが発生。
キツネタケ
は調査開始から10年前後をピークとしてその後は次第に減少。

一方で、ワカフサタケ、ワカフサタケ属は調査開始から10年前後まで発生していたが、その後はきのこが見られなくなった。
カフサタケ、ワカフサタケ属のきのこが姿を消すと今度は、
カラマツシメジ
カラマツチチタケ、キヌメリガサオトメノカサハナイグチ、シロヌメリイグチなどの
きのこ
が少しずつ姿を現し始め、カラマツ林もだいぶにぎやかになってきます。
これらのきのこが発生をはじめたのは調べ始めてから10年ほどたってからです。」

(注)上記のきのこはすべて菌根きのこで、なかでもハナイグチシロヌメリイグチ、キヌメリガサオトメノカサ
以降、安定して発生。
これはカラマツ林の例ですが、松林をはじめ色々な樹木が成長するに連れて、きのこの種類も変化していくのでしょうか?
そのパターンを知りたいすね.

追伸ハナイグチは昨日販売の週刊文春グラビア富士山カラフルきのこ、鈴木安一郎撮影)に掲載されていました。


菌根菌

 2010/11/22

去年、里山のある所でアミタケが採れていたのに、今年は全くダメでした。
一本もなし。なぜか。水分はあると思うが、周期があるのだろうか。
アミタケ
は松の菌根菌だ。松に元気がないのか。枯れてはいない。
アミタケ
地下菌糸はどうなっているのだろうか?
ふと菌根菌のことを考えてみた。
アミタケ
菌糸が松の根をマントのように包み込んでいる。松の根を菌糸が守っている。
アミタケ
土壌に張り巡らした菌糸から、主にリン酸や窒素を吸収して松に供給し、代わり
松から光合成により生産した糖分等を得ることで菌糸は成長していく。
この関係を相利共生(そうりきょうせい)と呼ぶらしい。

s
さんのプリントの共生菌の欄に
「松の根に外生菌根を作るキノコマツタケホンシメジなど100種類以上ある。
松が弱ったり、枯れたりするとマツタケはできません。
マツタケなどの菌根菌が元気をなくすと松もうまく成長できません」
と書かれている。

下記は菌根菌きのこ(A)とそ宿主(B)を挙げてみました。

例えばアミタケはA8のイグチ科、その宿主の松はB6のツ科となります。
Aの菌根菌きのこはBの植物(樹木)と相利共生(そうりきょうせい)関係にあります。

Aの菌根菌きのこは単一でなくて複数のBの植物(樹木)と大部分、共生してい
ことでしょう。


菌根菌
の一部
(A)
担子菌類
1
  テングタケ属テングタケ科ハラタケ目
2
  フウセンタケ科一部(ハラタケ目
3
  イッポンシメジ属イッポンシメジ科ハラタケ目
4
  ヌメリガサ属(ヌメリガサ科ハラタケ目
5
  キツネタケ属(ヒドナンギウムハラタケ目
6
  シメジ属(シメジハラタケ目
7
  キシメジ属キシメジ科ハラタケ目
8
  イグチ科イグチ目
9
  ショウロ科イグチ目
10
  ニセショウロ科イグチ目
11
  ベニタケ科ベニタケ目
12
  ニンギョウタケモドキ科(ベニタケ目
13
  アンズタケ科アンズタケ目)
14
  ホウキタケ属(ラッパタケ目)


菌根
を形成する直物の一部
(B)
1  カバノキ科ハンノキ属シラカンバ属、クマシデ属
2
  フタバガキ科
3
  ブナ科クリ属シイ属ブナノキ属、マテバシイ属コナラ属ほか)
4
  マメ科アカシア属
5
  フトモモ科ユーカリノキ属ほか)
6
  マツ科モミ属カラマツ属マツ属ツガ属ほか)
7
  ヤナギ科シダヤナギ属ほか)


フウセンタケ属って?

 2010/11/20


フウセンタ
ケ属って?

フウセンタ
ケ属は山と渓谷社の「日本のきのこ」P248には

「子実体形態は変化に富むが、いずれもクモの巣膜があり、胞子紋はさび色、
胞子は多くは、いぼにおわれる。クランプがある。外生菌根性。」
と記載されている。

フウセンタ
ケ属は「柄の根元が風船のように膨れていきのこ」だと思っていました。間違いではありませんが、
セアブラシメジクリフウセンタケ)は柄の基部は細い。

山と渓谷
社の「日本のきのこ」のフウセンタケ属のページをめくってください

248のニセマンジュウガサの写真、柄に「褐色のもじゃもじゃしたもの」が見えます。
251のニセアブラシメジクリフウセンタケ)、P253フタイロフウセンタケの写真にも同様なものが見えます。
はじめ、これが何か解りませんでした。

251のニセアブラシメジクリフウセンタケ)の項には
「柄は…クモの巣膜は量が多く、傘の展開後、柄の上部に綿毛状のツバとなって付着する。」と記載されている。
フウセンタ
ケ属は学名Cortinariusで、コルチナとはクモの巣膜のことらしい。
添付の画像はフウセンタケ属と思うが、傘の紫色に変色したところがおもしろい。

長岡技術科学大学
名誉教授
宮内信之助氏はフウセンタケ属に詳しいらしいが
彼は「フウセンタケ属は色彩が豊富。色を見るとき、成熟したきのこだけでなく、若いきのこも併せて比較しなければならない。
このきのこの主たる色がふじ色であるが…」
と述べている。

以下は私が調べたフウセンタケ属です。参考にしてください

1 アイカシワタケ
2
オアシフセンタ
3 アカツブフウセンタ

4 アサギフウセンタ

5 アサクラフウセンタ

6 アブ
シメジ
7 アブ
シメジ
8 アブ
シメジモドキ
9
イロガワリフウセンタ
10
スフフウセンタ
11
ウスムラサキアブラシメジ
12
ウスムラサキフウセンタ
13 ウメ
スフフウセンタ
14
オオウスムラサキフウセンタ
15
オツタケ
16
オトガリコチャフウセンタ
17 オオムラサキフウセンタ

18 オニフウセンタ

19
カワムラアブシメジ
20
カワムラフウセンタ
21 キアブラシメジ
22
キオビフウセンタ
23 キツネフウセンタ

24
キヒダフセンタ
25 キンチャフウセンタ

26
コガネフウセンタケモドキ
27
シノウスムラサキフウセンタ
28 ササクレフ
センタ
29
ザナミツバフウセンタ
30
ザナミニフウセンタ
31 シラガツバフ
センタ
32 ジンガサ
クフセンタ
33 チャオオフ
センタ
34 チャオ
フウセンタ
35 チャフウセンタ

36 タケ
37 ツバアブ
シメジ
38 ツバフウセンタ

39 トガリ
ニセフウセンタ
40
ツノカワムラフウセンタケ(新称)
41
セアブラシメジクリフウセンタケ)
42
セマンジュウガ
43
ヌメリササタケ
44 ハイムラサキフウセンタ

45 フウセンタ
ケモドキ
46 フジ
イロタケ
47 フジ
イロタケモドキ
48 フジ
イロフウセンタ
49 フタ
イロニセフウセンタ
50 フタ
イロフウセンタ
51 ブナフウセンタ

52 マムシフウセンタ

53 マルミノアブラシメジ
54 マルミノフウセンタ

55 マンジュウガサ
56 ムラサキアブラシメジ
57 ムラサキアブラシメジ
モドキ
58 ムラサキ
ズボタケ
59 ムラサキフウセンタ

60
ムレオオフウウセンタ
61
モリノフジイロタケ
62
モリノフタイロフウセンタ
63
ブレオフセンタ
64 ヤマブキフウセンタ



フウセンタケ属.


黄金伝説まつたけ

 2010/11/12


昨夜、11月11日PM7テレビ朝日にて「いきなり!黄金伝説という番組をご覧になったでしょうか。

それはタレントはんにゃ(川島・金田)、しずる(池田・村上))2組がマツタケ山(長野県上田市)で、
どの位(金額換算)マツタケが採れるのかを争うガチンコバトルでした。
彼らがどのようにしてマツタケを見つけるのか?またどのような所にマツタケがあるのか? 
と、この番組を心待ちにしておりました。
しずるの村上が「日当たりがよくて水はけがよい場所」にマツタケがあるだろうということで頂上付近を探索しているとマツタケを次々に発見。
途中、「ハナイグチ」「アカハツ」が登場。
この番組ではマツタケ温度条件は
19度Cが良いといている。

そこで以下のことをネットで調べるとマツタケ温度条件は?
マツタケの成長は地中の温度
19度Cまで下がった時に始まり15度Cに達した時に、その成長が止まる。」
「秋期のマツタケ発生は地温(地下10センチ)が19度Cから15度Cに順調に下がる間に子実体原基(きのこの芽)が
温度
刺激を受けて成長を始め、この前後の時期に適当な降雨があると良い作柄となる。」
マツタケは地中温度が25度C前後の時に地中で成長し、19度Cまで下がって水分が地中までいきわたると一気に地表に顔を出。」
ことなど。
マツタケ
は主にアカマツと共生してい菌根菌だ。

では、どれくらい(樹齢)の松がいいのか?
松の樹齢30年以上(特に50年(直径30〜40センチ))がよいらしい。
ある書物では10年〜25年がよいと書かれているが、よくわからない。
マツタケ
は毎年同じ場所に出るのか?
マツタケは1回発生したところは嫌地現象が出て毎年約10センチ位づつ「シロ」がずれていく。」
とのこと。

マツタケ
採りの極意というと

1、日当たりのよい場所は出やすい。南斜面、山の峰沿いがよい。
2、雨の次の日は出やすい。
3、1本見つけたら周囲もよく探す。
4、松の木の根元だけでなく広範囲(周り2メートル位)に探すこと。
5、松の木と岩が入りこんでいるような場所は出やすい。
6、マツタケ匂いにも注意する。
7、山はゆっくり登り、斜面を下から見、枯葉の盛り上がりをよく探す。
など。

以上のこと、これから又、来年に向けてマツタケ採りの参考になれば幸いです


シモコシ

2010/11/10

11月8日
 鳥取県(大山)産のシモコシを入手しました。
おそらく道の駅で販売していたものと思われます。
1パック500
円 シモ茸と記載されている。
モコシは今や、毒キノコとされているが…
パック
を開けた時は、傘は硫黄色で中央部に褐色の鱗片を生じていたが、2日後は、うすい褐色に変色している。
モコシは主に砂地の松林に発生するとのことだが、大山の山間部でも、よく採れるのだろう。
またキシメジと似ている。とあるがキシメジは全体に黄色が濃い。苦味がある。
モコシは苦味がない。とのこと。
「霜越し」といわれるほど遅くまであるようなので、いつか採集したいものである。

シモコシ10.11.8.


石鹸臭のきのこ

 2010/11/09


ネット
で偶然、「石鹸きのこ」について、あるプログに載っていました。
それは(不明菌?)キツネタケ仲間を大きくしたような大型ののこのことですが、
以前、dさんが「石鹸臭のきのこ」のことをおしゃっていたのを思い出しました。
以下、私が調べた石鹸臭のきのこです。参考になれば幸いです。

石鹸
臭のきのこ

ミネシメジキシメジ科キシメジ属
幼菌の会のきのこ図鑑には「せっけん臭」とも表現される独特の青臭みがあり…
日本の毒きのこ図鑑では、せっけん臭に似た独特の臭いを持つ。
と記載されている。

カオリツムタケモエギタケ科スギタケ属)
幼菌の会のきのこ図鑑には、肉はせっけん臭あり。
日本の毒きのこ図鑑では、肉はせっけん臭がある。

不明菌?
キツネタケ
仲間を大きくしたような大型のきのこ


ヤマブシタケ

 2010/10/31


ヤマブシタケ
って老人の白いひげをもったきのこだけと思っていました。
ヤマブシタケ
の幼菌ってピンク色の針(痛くない針)を持っているのですね
徐々に黄色に染まっていくのでしょうね。

ヤマブシタケ
は「ハリセンボンといいますが、「なでなで」したい衝動にかられる。
きのこ
身体によいと言われているが、このヤマブシタケは特別に脳によいらしい。

また、このヤマブシタケは「白色腐れ」をおこすきのこらしい。

先日、sさん作成の子供向けのプリントの中に「腐生菌」の中の「白色腐朽菌」が記載されている。
樹木の黒っぽい「リグニン」を吸収し白い「セルロース」を残し、この樹木(ブナ科広葉樹?)は白色っぽくなっていくのだろう。
ヤマブシタケ
は樹木の「リグニン」を食べ、脳細胞を成長させるもの(認知症によいもの)を含む。

ヤマブシタケ
は、なぜ、こんなかわいい姿に生まれてくるのか。
最近はやりの「生物多様性」。「ヤマブシタケ人間」との関係。少し考えてしまう。